人生。

 小学校に入学し、校舎を見上げた俺は「6年もこんな所で過ごすのか〜」と辟易した思い出がある。それから数十年。ふと気付いたら大学生になっていた。この感情を何と表せば良いのか分からないが、恐怖に準ずるものである事は直感的に思う。「人の一生は重き荷物を負うて遠き道をゆくがごとし」と徳川家康は言ったそうだが、俺は特に重い荷物は背負っていないようなそんな気がする。ただなんとなくその辺を手ぶらで散歩していたら、いつの間にかちょっとした高台にいたような俺の人生。その道程の中途に何があったのかよく覚えていない。これは非常に恐ろしく、非常に残念な事だ。